第86回日本プロゴルフ選手権大会

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第86回日本プロゴルフ選手権大会

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第85回(2017年)

宮里優作が地元V、日本タイトル2冠を決めた!

第85代目プロゴルファー日本一の座に輝いた宮里優作

第85代目プロゴルファー日本一の座に輝いた宮里優作

 

2017年の「第85回日本プロゴルフ選手権大会日清カップヌードル杯」は、北海道クラシックゴルフクラブで開催され、沖縄の星・宮里優作が通算12アンダーで逆転優勝!2戦連続V、13年ゴルフ日本シリーズに次ぐ日本タイトル2冠目、ツアー通算5勝目、自身初の年間複数回優勝を逆転劇で、もぎ取った。

 

2017年の大会成績はコチラ>>

第1ラウンド

谷口が8アンダーで10年前と同じ初日首位スタートを切る

谷口が8アンダーで10年前と同じ初日首位スタートを切る

 

第1ラウンド、午前組でベストスコアをマークしたのは韓国のイム・ソンジェ。9バーディー・2ボギーの65、7アンダーで単独首位に立った。このスコアが午後スタート選手たちに重圧を掛けるかのように思われたが、2012年大会の覇者である49歳のベテラン谷口徹がビッグスコアを叩き出す。スタートホールの10番から4連続バーディーを奪取し、その好調さを持続したままハーフターン。上がり3ホールでも連続バーディーを奪って8バーディー・ノーボギー64でフィニッシュし、イムをあっさり抜き去り単独首位に着けた。3位には6バーディー・1ボギーの67で上がった重永亜斗夢、4位タイには68で回った香妻陣一郎、梅山知宏、韓国のS・H・キムが着けた。

◇   ◇   ◇

谷口徹が初日首位に立った。8バーディノーボギーの64は、完璧なプレーを思わせる。10番スタートから4連続バーディを奪い、後半の5番で5メートルを沈めてから、ラスト3ホールを3連続バーディでフィニッシュ。好スタートを切った谷口は、「今週は久々に暑いのでしんどい(笑)。体の動きがあまりうまく機能してなくて。ティーショットがダメだけどね、アイアンはいい感じが出ていましたね」と、初日を振り返った。

この日は驚きの遭遇が2度もあった。スタート直前、JGTO青木功会長がティーグランドで出迎えてくれた。「いやー、緊張しますよ。会長が右前方に立っているから、ティーショットは左にまっすぐ引っかかった(笑)」。続くセカンドショットは左斜面からでピンは見えなかったが、4メートルにつけてバーディが先行した。さらに試合の途中では、(同組の宮里聖志の応援にきていた)藍ちゃんにも久々に会えた。「きっと(メディアの)話題は藍ちゃん中心になるかなと思っていたから、がんばるのをやめよっと、ね(笑)。そんな気持ちでいたのに、(逆に)藍ちゃん効果でいいスコア!」と、ビックネーム2人との出会いが幸運をもたらしたのかもしれない。

「午後スタート時には風が強かったから、(全体の)スコアは出ないかなと思ってました。だから、とにかくボギーを打たないように心がけました。こういうときは、ナーバスになりすぎてもダメだし、芝目も読めてるわけでもないですし。まあ、まだ初日ですからね。今の感じで続けていけたらいいのかな」と、谷口はざっくりと話すが、実は最近は、勝てそうな気もある。その予感が的中し、この大会で優勝したなら、日本プロ最年長優勝記録の歴代2位となる。1996年に尾崎将司が49歳109日で優勝しているが、谷口がこの大会で優勝すれば、49歳93日と、16日差での記録となる。

10年前の日本プロでも、谷口は初日首位スタートだった。「本当ですか?」と聞き返すほど、印象が薄かったのは、終わってみれば4オーバーで22位タイだったからかもしれない。

明日は、アンダーパーを積み上げていけるゴルフを目標に、10年前のリベンジという気持ちで、日本プロ3度目の制覇を目指す。

第2ラウンド

焦らず、余裕を持ってバーディーチャンスを作って行けばいい

焦らず、余裕を持ってバーディーチャンスを作って行けばいい

 

第1ラウンドで64をマークし、単独首位でスタートした谷口徹が、第2ラウンドでも底力を発揮。前半は2連続ボギーでスコアを落としたものの、その後は着実にバーディーを積み重ね、4バーディー・2ボギー70でフィニッシュ。ただ一人、2ケタアンダースコアの通算10アンダーにスコアを伸ばして単独首位を守った。首位と2打差の通算8アンダー2位には5バーディー・2ボギー69で回った重永亜斗夢が着け、さらに1打差の通算7アンダーで宮里優作、通算6アンダー・4位に小平智が追う。

◇   ◇   ◇

谷口徹は2010年、12年大会を制している。日本一のプロゴルファー決定戦で2度も頂点に立った余裕なのだろうか――。

第1ラウンドで8アンダーの単独首位となって迎えた第2ラウンド。1番ホールからスタートし、2番パー4ホールではラフからラフを渡り歩いてのボギーを打ち、3番パー3ホールでは2打目のバンカーショットが予想以上に砂が薄かったことで寄せ切れず、2連続ボギーを打った。その時点で首位の座から一旦は滑り落ちたのだが、再び這い上がるのが谷口の渋とさとメンタルの強さだ。

「バーディーチャンスを作って行けばいいと思って。そんなに焦らず、余裕を持ってのプレーができましたね。昨日よりもアイアンショットはピン近くに着いていましたからね」

7番パー4ホールでこの日初のバーディーを奪い、フロントナインを1バーディー・2ボギーとしてハーフターン。バックナインの10番、11番ホールでバーディーパットを沈めて単独首位の座にカムバック。15番ホールでさらに貯金を上積みし、4バーディー・2ボギーの70で通算10アンダーにスコアを伸ばしてのフィニッシュだ。

「今日は奥めのピン位置が多く、良いパットをしているのに入らなかった。切れるようで切れず、切らなさそうで切れる。それでも、自分が打ちたい所へしっかり打てていたが、パットの感が冴えなかっただけ」。スコアを2つ伸ばしての通算10アンダーをも受け入れた谷口。

27位タイからスタートした宮里優作が猛チャージしていることをプレー中ながらギャラリーの声援や拍手、指笛、スコアボードで察知していた。

「優作にとっては地元での大会だし、(前試合の中日クラウンズで)勝っているし、調子が良さそうなのは分かっている。優作も自分も良いショットも打つけれど悪いショットも飛び出す。安定しているわけではない。バーディーが取れてもボギーの数を減らさないと(スコアを作れない)」。優作にアドバイスを送るような、自分にも言い聞かせるようなコメントも口にした。ショット精度と攻める気持ちを抑えることが必要なコース。グリーンが大きく、ピンを狙い過ぎて奥にこぼすとボギーがつきまとう。攻めと守りを明確にしたショットを紡ぎ続けることが求められるという。

「優作や小平(智)が(活躍して)ツアーを引っ張って行かないといけない。僕はもうそんな立場ではないし、一生懸命プレーするだけ。頑張るだけだから」と若手選手を叱咤激励する。これこそが谷口の余裕を表しているように感じられるのだ。

第3ラウンド

宮里は公式戦初V、母の日に捧げるツアー通算5勝目を目指すのみ

宮里は公式戦初V、母の日に捧げるツアー通算5勝目を目指すのみ

 

スコアが大きく動くムービングサタデー! 予選を通過し、決勝ラウンドに進出した通算2オーバーまでの61人の選手たちが、順位を上げようと攻撃的なプレーを繰り広げる第3ラウンド。悪天候の予報からアウト午前8時10分、イン午前8時のツーウエイスタートで行われることが前日すでに伝えられていた。だが、雷雲接近によってスタート時間を計4度遅らせ、結局5時間遅れの午後1時に第1組がティーオフ。そして第3ラウンドは午後6時29分、日没のためサスペンデットとなった。

◇   ◇   ◇

単独首位の谷口徹を3打差で追う宮里優作は最終組でのスタート。1ホールでも早く、1打でも縮めたかったが、フロントナインはすべてパーに終わった。

12番パー5ホールではツーオンを狙ったものの、グリーン右サイドの土手に打ち込み、ピンまで5メートルに着けたものの、バーディーパットは決まらず、12ホール連続パーセーブの足踏み状態。「良いショット、パットを打ってスコアが伸びて行かない、ストレスのたまるラウンドでした」と宮里は振り返る。

13、14番ホールでの連続ボギーによって通算5アンダーにスコアを落とした。

「バーディーチャンスも何回かありましたが、芝目が伸びていて、横のラインはすごく曲がるし、下りのラインでは芝目で曲がらない。ラインを読んだ通りには行きませんでした。

今日はパットの調子が良く、狙った所に打てているのですが、カップをかする、一筋違うラインばかりでした。もう少し光があればラインを読み切れたと思う」。

グリーン上のプレーよりも、もっと悔しがることがあった。雨によるぬかるみが宮里に不運をもたらしたのだ。我慢のゴルフを続けて迎えた13番パー4ホール。ティーショットをフェアウエイに運ぶことが出来たが、ボールの左横に泥がこびりついていたのだ。

「この泥のせいでボールは右方向に曲がりながら飛んで行くだろうと思いました。それを想定し、安全を期してグリーン中央を狙ったショットが、まるで魔球のような飛び方をして、左へ。OBにならなくて良かったくらいです」。3オン2パットのボギー。我慢の糸が来たかのように続く14番ホールでは痛恨3パットで連続ボギーにしてしまったのだった。

この2ホールは選手の誰もが「鬼門」とする難ホール。「できればパー、パーで上がりたかったのですが。明日は15番ホールから仕切り直して、(第3ラウンド)残り4ホールで一つでもバーディーを取れればいい。決して悪い状態ではありませんから」と宮里は逆転優勝への灯をまだ消していない。

第3ラウンドのストレス解消、地元での2戦連続優勝、公式戦初V、母の日に捧げるツアー通算5勝目を目指す。

最終ラウンド

ウイニングボールは母へのプレゼント

ウイニングボールは母へのプレゼント

 

首位と4打差に8選手、猛チャージを掛けたなら逆転できる5打差までは14選手。最終の第4ラウンドの展開は混戦を思わせた。首位の谷口を2打差で追う宮里は1番ホールから2連続バーディーを決めた。谷口も1番ホールをバーディーとしたが、2番ホールでボギーを叩く。最終ラウンド2ホール目で谷口は第1ラウンドから守り続けて来た単独首位の座を宮里と分け合う試合展開にしてしまった。

最終組の谷口、宮里が3番ホールでともにボギーを打ち、首位スコアを通算7アンダーに落とした時点で、首位と3打差の選手は13選手となり、試合の行方は混とんとなった。午前11時9分。宮里が4番ホールでバーディーを奪い返し、初の単独首位に立った。この時点で首位と3打差は8選手。宮里が5、6番ホールでもバーディーパットを決めて後続を突き放す圧巻プレーによって、宮里に3打差の通算7アンダーで食い下がっているのは谷口ただ一人だけとなった。

谷口は勝負を決して諦めたわけではなかった。不安材料を抱えていたものの、それを跳ね除けるように7、8番ホールでの連続バーディーで息を吹き返す。首位の宮里に1打差に迫る。フロントナインの9番パー5ホール。谷口が先にバーディーパットを打ち、外す。宮里はバーディーパットをねじ込み、その差を2打に広げる。最終組で一緒に回る二人の「直接対決」はサンデーバックナインへ。残され9ホール。勝負の9ホール。

10番ホールで追いかける立場の谷口がボギーを打ったものの、続く11番ホールでバーディーを決めて踏ん張る。しかし13、14番、そして16番ホールでは3パットでのボギーを打ち、自ら順位を下げたのだった。

一方の宮里は12、13番ホールでの連続バーディーで後続選手を大きく突き放し、結局8バーディー・2ボギー66でフィニッシュ。通算12アンダーで2位のB・ケネディに3打差を着け、宮里は出身地の沖縄県で第85代目プロゴルファー日本一の座に就いたのだった。

◇   ◇   ◇

単独首位の谷口徹に、ようやく2打差まで追いついて迎えた最終ラウンド最終組。第1ラウンドは思うようにスコアを作れず、1アンダー・27位タイ発進。谷口とは7打差あった。第2ラウンドで66のビッグスコアを叩き出して3位に急浮上。その差は5打。第3ラウンドは悪天候でスコアを落とす選手が続出したことで、宮里も73ながら、ついに谷口とは2打差に迫り、遠かった谷口の背中が、手を伸ばせば届くところに来た。

前戦の中日クラウンズで今季初優勝を飾った。最終日最終組、最終ホールでのバーディーパットをねじ込み、谷口徹を1打突き放しての会心の一勝だった。

ショットは決して絶好調というレベルではなく、パットは日に日に上向いている感触だった。「自分が打ち出したいところへボールを打ち出せて、タッチも合って来ました。カップインできなくても、自分がイメージしたラインに打ち出せている好感触がある」と宮里は、最終ラウンドでのパットの爆発に期待していた。パットは、入り出したら止まらなくなる予感があったのだ。

第4ラウンド。1番ホールから2連続バーディーを奪い、谷口をついに捕らえた。3番ホールでは3パットでボギーとしたが、谷口もボギーを打ったことで首位タイを守れた。「谷口さんは途中ボギーで崩れてしまいましたが、少しでも隙を見せたらまずいと思って、気を抜かずにプレーし続けました」。宮里の兜の緒を緩めないプレーが4番ホールから連続バーディーを導いた。

2位の谷口とは1打差で迎えた9番パー5。先にバーディートライした谷口は、カップに沈められず、宮里はしっかりねじ込んだ。その差は2打に開いた。地元沖縄出身の宮里を応援する大勢のギャラリーからは「いいぞ!優作」「ナイスバーディ」の声援と指笛、拍手が鳴り響く。宮里は軽く右手を上げてそれに応える。グリーンサイドの身障者専用エリアで車椅子に乗って応援していたギャラリーに、宮里はバーディーを決めたボールをさり気なく手渡し、10番ホールへ向かう。

車椅子のギャラリーは何度も何度も頭を下げ、喜びを表した。

「友人に手助けしてもらって、今日初めてコースへ観戦に来たんです。こんな大切なボールを頂いて、良い思い出になります」。読谷村から車で40分掛けて宮里を応援に来た稲福常治さん(60)は、涙目になりながら喜んでいた。驚きのバースデープレゼント。稲福さんは1週間前に還暦の誕生日を迎えていたのだ。

サンデーバックナインでも安定したゴルフを展開し、宮里はウイニングパットを沈めた。第4ラウンドは8バーディー・2ボギー66をマーク。通算12アンダー、谷口に4打差をつけての大逆転優勝を故郷で飾ったのだった。

ツアー通算5勝、日本タイトル2冠を決めたウイニングボールは、ギャラリースタンドに投げ入れず、ポケットに忍ばせた。「母へのプレゼントなので」。ビッグサプライズ。大切なボールの行方は、大会前からすでに決めていた――。

 

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