第57回日本プロゴルフシニア選手権大会 住友商事・サミットカップ

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第57回日本プロゴルフシニア選手権大会 住友商事・サミットカップ

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第56回(2017年)

台湾の盧建順が2日目からの首位を守り、日本シニアツアー初優勝!

台湾シニアPGA会長も務める盧建順が歓喜の日本シニア初V

台湾シニアPGA会長も務める盧建順が歓喜の日本シニア初V

 

「第56回日本プロゴルフシニア選手権大会住友商事・サミットカップ」は、台湾の盧建順(57)が通算14アンダーで2日目からの首位をキープ、日本のシニアツアー初優勝を遂げた。アジアを中心としたレギュラーツアー、シニアツアーをあわせると、ツアー通算18勝目。台湾出身のプロが、日本プロシニアを制したのは、陳清波(1981年)、陳健義(1983年)、謝永郁(1984年)、張春発(1985年)、陳志明(2002年)に次いで6人目となった。

 

2017年の大会成績はコチラ>>

第1ラウンド

パット達人となった久保が6バーディーボギーフリーで初日首位

パット達人となった久保が6バーディーボギーフリーで初日首位

 

 第1ラウンドで単独首位に立ったのは、6バーディー、ノーボギーの6アンダーで久保勝美(55)。2打差の2位には盧建順(57)、2017年シーズン2勝をあげている米山剛(52)が続いた。前年覇者のプラヤド・マークセン(51)は3打差の3アンダー4位からのスタートとなった。4打差5位タイに湯原信光(60)、秋葉真一(52)ら7名がつけた。

◇   ◇   ◇

「オーバーしなければ入りませんよ」。大会前日に行われたプロアマ大会でのことだった。アマチュア3人のパットがカップインできなかった時に最後の砦としてプロが同じ位置からパットを打つ。チーム戦ならではの和気あいあいとした光景だが、勝負が懸かっているだけにチームメイトの注目も期待も集まる一打となる。

「ゲストアマチュア3人のパットを見ているのに、それでもショートしてばかりで、入ったのは1回だけだったんですよ」。

 不甲斐ないパットを続けた一日だったが、寝て起きてから迎えた第1ラウンドは、まさに文字どおり、前日とは「打って」変わってパット達人となったのは久保勝美(55)だ。

「カップオーバーを心掛けた」結果は、パット数26。ショートしたファーストパットもあったが、その理由は「僕とキャディーさんとのラインの読みが正反対の時は、どうしても信用できず、疑心暗鬼となったから。でも、すべてキャディーさんが正解でしたよ、さすがです」と久保は苦笑い。

 インコースからスタートした久保のスコアが動いたのは8ホール目の17番パー4ホール。カップ右手前から7メートルを一発で沈めてのバーディー奪取だ。

 ハーフターン後のアウトコースでは1、3、4、7、9番ホールでバーディーを奪い、6バーディー・ノーボギー66でフィニッシュ。単独首位に躍り出た。

「コマツオープンでも初日首位発進しながら2日目に大崩れしましたからね。39パットですよ。それだけは避けたい。まずは予選通過し、その次の目標がベストテン。そして2位狙いです。1位が確定しているような選手(マークセン)がいるので…でも、何とか抜かして1位がいいんですけどね」と、大きな目をパチクリさせながら久保は白い歯を見せた。

 2017年4月、特注クランクネックタイプに作ってもらったスコッティーキャメロンの「フューチュラX5ツアー」を大会練習日の火曜日から再び使い始めた。「ネックに不具合が生じてフェース向きが変わり、7月までは使っていたのですが、それ以降は控えパターのピンタイプを使っていたのです」。クラブを宅配便で送るツアー転戦の繰り返しだったため、パターを直す機会に恵まれなかった。ようやく元通り直って来たことも爆発スコアの一因になった。

「練習ラウンドを共にしている清水(洋一)は(獲得賞金額)2000万円を超えているでしょ。だから少しでも近づきたいし、賞金ランキングを上げれば年末にある3ツアーズの出場チャンスも高まりますからね」と、久保のモチベーションを高めている要因もある。

 ドライバーショットはフェアウエイを捕らえ、アイアンショットはグリーンをキャッチ。パットは「先生がいてくれたので助かりました」。同組の冨永浩、室田淳よりもピンの内側に着けられたことで、2人のラインやタッチを参考にしてパットを打てたことを久保は「先生がいた」と評してみせた。それだけショットが切れ、ピンに絡められたのだ。

 コマツオープン2日目大叩きの二の舞は避ける。同じ轍は踏まない。2日目、久保の意地のプレーに注目だ。

第2ラウンド

5連続バーディーを含め66と爆発!10アンダー単独首位に立った盧

5連続バーディーを含め66と爆発!10アンダー単独首位に立った盧

 

 第2ラウンド。首位浮上したのは8バーディー、2ボギーの66ストロークでプレーし、通算10アンダーとした盧建順(57)。3打差の2位には7アンダーで久保勝美(55)。3位には6アンダーで湯原信光(60)。前年覇者のプラヤド・マークセン(51)は3アンダーの9位タイ。決勝ラウンドには通算4オーバー、148ストロークの57位タイまでの67名が進出した。

◇   ◇   ◇

 4アンダー・2位タイから発進した台湾の盧建順(57)が、この日のベストスコア66(8バーディー・2ボギー)をマークし、通算10アンダー単独首位に立った。

 インスタートの盧は12、13番ホールでバーディーを奪い、15番ホールでボギーを叩いてから、爆発が始まった。17番ホールで2メートルのバーディーパットを沈めると18番ホールでも2メートルをねじ込んでハーフターン。アウト1番パー5ホールの3打目バンカーショットでベタピン50センチに着け、2番、3番ホールでもバーディーを奪取。圧巻の5連続バーディーで単独首位の座まで奪ったのだ。

「今日はティーショットでフェアウエイを外すとバーディーチャンスには着けられない難しいピン位置でした。ドライバーショットは安定していたし、アイアンショットはピンに向かって行ってくれました」と盧は振り返る。

 8バーディーのほとんどは、パット距離2メートル以内。最も長かったのが3番ホールでの距離4メートルだったほど、アイアンショットが切れた。

「先週は(アジアンツアー)マーキュリー台湾マスターズに出場し、若い選手たちと一緒にプレーして15位。いい刺激をもらったし、ショットの調子は(先週よりも)さらに良くなっています。台湾のグリーンは芽がきつくて難しかったけれど、今週のグリーンは速いだけで傾斜を読み切り、ラインにボールを乗せれば入ってくれるのでやさしく感じます。昨日はパット数30で68、今日はパット数28で66ね」。盧の笑顔は弾けっぱなしだ。

 日を追うごとにショットの切れは増している。パットに難しさを感じない。自信は高まって行く。公式戦奪取への公式は、すでに作り上げている。「優勝スコアは通算15アンダーかな。明日からの2日間で3(アンダー)と2(アンダー)ね」と2位とは3打差の盧は、自信満々でそう答えた。

第3ラウンド

最終日は最終組で大会を盛り上げる!PGA会長兼選手の倉本が5位タイ

最終日は最終組で大会を盛り上げる!PGA会長兼選手の倉本が5位タイ

 

 第3ラウンドが行われ、首位スタートの盧建順(57)が4バーディー、1ボギーとして通算13アンダーで首位をキープ。3打差の2位には久保勝美(55)が通算10アンダーで追いかける。3位には通算8アンダーで倉本昌弘(62)、鈴木亨(51)がつける。前年覇者のプラヤド・マークセン(51)は通算5アンダー8位で最終日を迎える。

◇   ◇   ◇

 5バーディー・1ボギー68でラウンドした倉本昌弘(62)が、通算8アンダーにスコアを伸ばし、3位タイに急浮上。最終日は首位と5打差ながら最終組でスタートする。

「最終組…(最終日は)忙しいんだよなぁ。(ホールアウト後はPGA会長として)ネクタイを締めなくちゃいけないし」と試合終了後に行われる表彰式を見越して、そんなジョークで、取り囲んだ記者たちを笑わせた。

 第3ラウンドは、シニア賞金ランキング1位のプラヤド・マークセンと同組でプレーし、スコアで2打上回った。「マークセンは疲れているようで、飛んでいなかった。今日はマークセンを抑えたから、いいでしょ」と納得顔だ。

 ティーアップはまだしも、地面のボールを打つ際は肋骨に痛みが走る。前週のセヴンヒルズKBCカップの前日から、肋骨を痛めていた。トレーナーに毎日ケアをしてもらい続けて来たことで「昨日の後半から地面の球も打てるようになって来ました。それまではトップしたりダフったり、大変でしたよ」とこれまでの成績不振の理由を明かした。

 前年大会ではマークセンと6打差2位で最終日最終組スタート。スコアを伸ばせず、イーブンパーに終わり、3位タイで表彰式に出席した。最終日は、PGA会長として優勝カップを勝者に手渡すのか、それとも大会覇者として出席するのか。

 頂点に立てば「ネクタイを締める」手間が省けるかもしれない!

最終ラウンド

百戦錬磨の盧建順がプロシニア初出場で日本シニア初優勝!

百戦錬磨の盧建順がプロシニア初出場で日本シニア初優勝!

 

 最終ラウンドは、台湾の盧建順(57)が我慢のプレーを続け、3バーディー、2ボギーで1つスコアを伸ばし、通算14アンダーで2日目からの首位をキープ、日本のシニアツアー初優勝を遂げた。アジアを中心としたレギュラーツアー、シニアツアーをあわせると、ツアー通算18勝目。母国台湾で行われている数々の試合では40勝以上をあげている。

 2打差の2位には久保勝美(55)、鈴木亨(51)が通算12アンダーでフィニッシュした。前年覇者のプラヤド・マークセン(51)は10アンダーの5位タイで今大会を終えた。

◇   ◇   ◇

 台湾の盧建順(57)が、日本シニアツアー公式戦の日本プロシニア選手権を初制覇。3年シードを獲得したことで、アジアの渡り鳥は、日本を主戦場にする決心を固めた。

 大会初日に68、2日目に66のベストスコアを出して単独首位に立った盧は、3日目も69で回り、大会3日間ただ一人60台のスコアをマークした。通算13アンダー単独首位。2位の久保勝美には3打差を着けていた。

「決勝ラウンドで3(アンダー)と2(アンダー)でOKね」と盧は2日目にそんなコメントを残していた。

 通算15アンダーまでスコアを伸ばせば勝てる――。師匠は謝敏男。台湾での戦歴は40勝を超え、アジアンツアーでは賞金王に2度輝き、シニアツアーを含め海外ツアーでは17勝を数える百戦錬磨の猛者は、試合展開をその時点で読み切っていたのだ。

 迎えた最終日1番パー5でバーディー発進。2番ホールから11番ホールまでパーをセーブ。12番パー5ホールでの3パット・ボギーで盧のスコアが久しぶりに動いた。15番パー4ホールでも3パットを打ち、通算12アンダーにスコアを落とし、この時点で久保と首位の座を分け合ってしまう。

「15番ホールまでパットの感触が駄目で、タッチがまったく合いませんでした。(首位に並ばれたけれど)まだ大丈夫、次にバーディーを獲るぞと前向きな気持ちでいました」。

 その強い気持ちが16、17番ホールでの連続バーディーを導き、18番ティーに立った時点で2位に2打差を着けていた。パーセーブで逃げ切れる。盧は3オン2パットのパーでフィニッシュし、通算14アンダーで頂点に立ったのだった。

 今年から台湾シニアPGA会長の役職に就いた一方で、今季のシニアツアー予選会を外国人選考会から突破し、最終予選会6位の座を射止めた。「ゴルフも日本も大好き。本当に好き。出場チャンスを頂けて幸せです。倉本会長と同じく、会長職兼選手ですが日本と台湾の大きな架け橋になれるように頑張ります」と最終予選会直後には、日本シニアツアー参戦を素直に喜んでいた。

 1985年ダンロップオープンで日本ツアーに初出場し、アジアンツアー選手として毎年のように同オープンに出場していた。「成績? 優勝したなら覚えているけど、それ以外は忘れたよ」と朗らかに笑う。2001年から08年は背中痛でプロ活動を一時休止し、コースマネジャーとしてカートに乗り、コースを巡回。「歩くことが出来なかったし、痛み止めの薬も効かなくて、お酒で痛みを抑えたよ。1年でウイスキーボトル1000本は飲んだかな。昔はお酒が強かったね」

 09年に復帰し、2010年から15年まで米PGAチャンピオンズへ参戦。2位3回の戦績を残し、15年の日本シニアオープンで日本シニア界にデビュー(結果9位)。16年の同オープンで3位に入っている。

「日本で頑張ります。60歳になるまであと3勝したいです」と背中痛が完治した盧。

 美酒はいらない。なぜなら、飲酒は、もうしていないからだ。これから3年、大好きなゴルフを大好きな日本でプレーできる。その喜びだけで十分に違いない。

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