~シニアを元気に!!~ KYORAKU MORE SURPRISE CUP 2016

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第3回(2015年)

崎山武志が逃げ切って優勝、ツアー2勝目をマーク

優勝カップを高々と挙げ喜ぶ崎山武志

優勝カップを高々と挙げ喜ぶ崎山武志

 

PGAシニアツアー第2戦「KYORAKU MORE SURPRISE CUP2015」は、5月29日(金)~31日(日)の3日間、涼仙ゴルフ倶楽部(三重県いなべ市)にて行われ、崎山武志がトータル8アンダーでまわり優勝、ツアー2勝目を飾った。2位は4アンダーでフランキー・ミノザ、3位には2アンダーで井戸木鴻樹が入った。

 

2015年の大会成績はコチラ>>

第1ラウンド

3打差4位につけた高松厚

3打差4位につけた高松厚

 

ツアー2勝目に向けて、崎山武志(52)が6アンダー66をマークして首位に立った。9番から4連続を含む7バーディー、1ボギー。固くて速いグリーンに手こずる選手が多い中で抜け出した。2打差2位に福澤義光(51)とフランキー・ミノザ(55=フィリピン)がつけ、3打差4位に高松厚(55)が続いている。昨年覇者の奥田靖己(55)は2オーバーで36位、青木功(72)は6オーバーで69位と出遅れた。

◇   ◇   ◇

 「ゴクローサンズ」というのをご存知だろうか。1959年、60年生まれの選手たちで、シニアツアーを盛り上げようと結成された「5960(ごくろう)会」の中から生まれたバンド「高松厚とゴクローサンズ」。そのリーダーが、3アンダーで回って、3打差4位につけた。

 インスタートの最終9番で、15メートル以上のバーディーパット。「たまたま。おまけ。まぐれです」と放り込んでのバーディーフィニッシュ。「でもキャデイーさんの読みもバッチリだった」と振り返った。5バーディー、2ボギーの69。固くて速いグリーンに「ショートアイアンでも5、6メートルは奥に行くと覚悟している。グリーンの状態は素晴らしいので、勇気さえあれば入ると思った。タッチが良かったですね、きょうは」と、笑顔を見せた。選手が苦しむグリーンだが「ピタッと行かなくても腐らずにやること」が、ここでは必要だという。

 「ゴクローサンズ」は、昨年のこの大会で「デビュー」した。高松はプロのミュージシャンという異色の経歴の持ち主。「5960会」メンバーの芹澤信雄、加瀬秀樹、奥田靖己、高見和宏らシニアの中堅選手たちが「シニアを盛り上げるのにみんなでなにかしよう」となった時に、高松を引っ張り出した。「プロのアマの違いは大きい」といいながらも、みんなに役割を振って、バンド活動がスタート。昨年は日本プロの前夜祭でも演奏し、女子の大会にも出演。この大会の懇親パーティーでは5曲を披露した。1年の活動で10回ほどの「ステージ」をこなし、持ち歌も15曲ほどに増えている。全員ではなかなか集まれないため、今大会前にはスタジオを借りて2回練習した。「バンドを作ってから、メンバーが勝っているんですよね。奥田が去年この大会に勝ったし、加瀬も1つ勝った。僕もツアー優勝が欲しいですね」と、初優勝へバンド活動がゴルフに活力を与えているのは確かなようだ。

 首位に立った崎山は「ゴクローサンズ」の補欠メンバー。昨年の日本プロ前夜祭では芹澤の代役でタンバリンをたたいた。高松は「リズム感がないから失格」と笑って突き放しているが、崎山は「芹沢さんの仕事は取れないので、高松さんに聞いて、一番簡単な楽器を弾けるようになりたいんですよ。何かできれば、いつ声をかけてもらっても入れるんで」と、ゴクローサンズの楽しさを知ってメンバー入りを目指している。

 この日のゴルフは快調。9番パー5で第2打をグリーン手前のバンカーまで運び、1メートルに付けるバーディーから4連発。11番では10メートルぐらいのロングパットを沈め、12番では第2打を20センチにつけた。ショット、パットがかみ合った。「ドライバーの調子がすごくいい。グリーンが固いのでショートアイアンでも10ヤード転がることを計算して打っている」のが、功を奏した。「あと2日間、緊張感を持ってやりたい」とツアー2勝目を目指す。

 「もう崎山にタンバリンは譲るよ」というのが芹澤。昨年、賞金シードを失ったのを口実に? ゴクローサンズ脱退を画策したという。「だって、練習が結構大変だし、タンバリンなら誰でもやれるだろうって」。高松いわく「タンバリンは誰でもできるような簡単な楽器じゃない」と、芹澤の気持ちをくすぐる。当の芹澤も、大会懇親パーティーでは新しい楽器のウインドチャイムを高松からもらい、まんざらでもない。「ミスしたら怒られそうな楽器」と、脱退と口では言うが、新楽器に興味はある。ゴルフも好調。2週前のレジェンドチャリティーではハーフ29で回るなど、昨年の不振を脱出しつつある。この日はボギーなしの2バーディーで5位につけた。「女子プロを教える時は基本が多くなるんだけど、それでひらめいたことがあって。今年は優勝する気配がある。とりあえずは8月いっぱいの賞金ランク20位以内で日本シニアオープンの出場資格を取りたい」と、意欲も出てきた。

 昨年覇者の奥田は苦しんだ。バーディーなしの2オーバー。「体調が良くない」と、表情は暗い。それでも、バンドの話になると少し明るさを取り戻した。「なかなかしんどい。でも、お客さんが喜んでくれるのはうれしい。懇親パーティーでも一緒に歌ったり手拍子してくれて『楽しかった』と言ってくれる。それほどみんなで集まれないので、各自練習になる。去年は素人だったけど、だいぶうまくなったよ。見てよ。ゴルフのマメは全部消えて、ギターダコができちゃった」と、笑って手を見せた。

 一応、ゴクローサンズの役割を紹介しておこう。高松(初日4位=ドラム)、芹澤(5位=タンバリン、ウインドチャイム)、中西(25位=リードギター)、高見(36位=MC)、奥田(36位=ギター)、加瀬(65位=ヴォーカル)に、補欠メンバー崎山が首位。リーダーの好発進で、メンバーの刺激になるか。

第2ラウンド

「前向きな感じであすはやりたいですね」と井戸木鴻樹

「前向きな感じであすはやりたいですね」と井戸木鴻樹

 

崎山武志(51)が2つスコアを伸ばし、通算8アンダーの136で首位を守った。1番でボギースタートしてフランキー・ミノザ(55=フィリピン)に並ばれたが、2番で取り返してから前半は4つのバーディーで抜け出した。11番でダブルボギーをたたいたが、2アンダー70で回り、昨年の金秀シニア以来のツアー2勝目に王手をかけた。ミノザが3打差2位。2013年全米プロシニア覇者の井戸木鴻樹(53)と、49歳でプロテストに合格して昨年シニア入りした田村尚之(50)が4打差3位に浮上した。

◇   ◇   ◇

 ちょっとした「プレッシャー」に悩んでいた3位の2人に、優勝のチャンスが巡ってきた。

 井戸木は18番で2メートルのバーディーパットを沈めて通算4アンダー。3位につけた。「大きいスコア出ないですね、やっぱり。ちょっと欲をかいたら奥に行く。少し無理したらすぐボギーになる」と、難コースに苦しんできた様子。攻め方を聞くと「失敗しても手前でいいというつもりで、1番手小さいクラブで目一杯打っていく感じ。それでグリーンエッジのちょっと先に落ちてくれたら」と、明かした。

 2013年全米プロシニアに優勝。当然、スタート前の選手紹介では「2013年全米プロシニアチャンピオン」とアナウンスされる。「プレッシャーはありますね。結果を出さなきゃとか、恥ずかしいゴルフはできないとか」。全米に勝って以降、日本では勝てていない。上位には顔を出すが、優勝を逃し続けている「ビビりですね。きょうは3番でOKぐらいについた時も、こんなして手がめちゃくちゃ震えた。チャンスだし入れなきゃって」と苦笑いした。2番でボギーが先行したが、この3番のバーディーを入れてから落ち着いた。9、14番では1メートルにつけるなど、この日4バーディー。逆転を狙える位置につけた。

 先週の全米プロシニアでは日本から出場した4人の中でただ1人予選落ちを喫した。「今週は開き直ってやっている。それが落ち着いたゴルフになっているのかもしれない」という。全米覇者の呪縛から、少し解放された様子だ。「元々僕はのらりくらりのゴルフ。元に戻しますわ。前向きな感じで明日はやりたいですね」と、明るさも出てきて、優勝への意欲もわいている。

 田村は「危なっかしいゴルフでした。よくわかんないですね、僕のゴルフは」と振り返った。3番パー5では第2打を左の池に入れたがパーをセーブするなど、必死で食い止めた。17番でボギーにしたが4バーディー。「ドライバーがひどいね。アイアンは僕の場合はすくって打っていくんで、他の人よりはグリーンで止まるかもしれない。グリーンがどんどん固くなって欲しいですね」と、他の選手が苦しむ条件がさらに厳しくなることを望んだ。

 一昨年のプロテストに49歳で合格して話題になった。昨年シニアデビューしたが「想像以上に厳しいというか、自分のゴルフがまだアマチュア。グリーンへの対応ができていない」と、プロへの切り替えが十分できなかった。会社役員の仕事は続けており、試合のない日は出勤する。この大会にも「月曜日まで仕事をして火曜日に入りました」という。メディアにも「サラリーマンプロ」として取り上げられ、注目を集めてきた。そんなプレッシャーで昨年はシニアツアー初戦で予選落ちなど苦しんだ。終盤「開き直って行くしかなかった」と上位に入ってシード権を獲得。今年も舞台に立てた。

 「プロになって最終組で回るのは初めて。やったことがないんで、一体どうなることやら。しかも、お金がかかった最終組でしょ。元々ビビリなんで、どういう震えが来るんでしょうかね」と笑う。それでも「練習ラウンドで崎山さんとラウンドして勝っているんですよ」と、気持ちは「上」に立っているようだ。

 1人抜け出した感のある崎山は「差はあってないようなもの。下からくる人の勢いもある。あまり守りすぎず、攻めすぎず、メリハリの効いたゴルフができたら」と、完全優勝を目指す最終日をにらんだ。この日は1番でいきなりボギースタート。バーディーを奪ったミノザにその時点では通算5アンダーで並ばれた。2番で7メートルを沈めて一服。4番ではいったんは5番アイアンを持ったが、6番アイアンに持ち替えて3メートルに付けるバーディー。ショットと考えがかみ合っている。「賞金も大きくて、セッティングも公式戦のような大会。2日目はアンダーパーで回れればいいと思っていたので、100点に近いゴルフだったと思います」と、振り返った。

 一昨年の開幕戦、金秀シニアでシニアデビュー戦優勝の離れ業を演じたが、以後勝てずに来た。「2勝目は難しいと聞いています。でも、このコースでは先週も2度回らせていただいた。そのときとは条件が違うので戸惑うこともありますけど、ショットが全体的にいいしロングパットの距離感もいい。自分なりにコントロールしていきたい」。

 ミノザを含め、追いかける選手が虎視眈々と狙う中、崎山としても目前に来たツアー2勝目をしっかりモノにしたいところだ。

最終ラウンド

ギャラリーの声援に応える崎山武志

ギャラリーの声援に応える崎山武志

 

崎山武志(53)が完全優勝で、シニアツアー2勝目を飾った。強風が吹く中、2位に3打差の首位でスタートし、1番でいきなりチップインバーディーを奪うなど、この日も快調なゴルフを展開。72で回って通算8アンダー208とし、初日からの首位を守って快勝。一昨年シニアデビュー戦、金秀シニア以来の優勝となった。追いかける選手たちは強風もあってスコアを崩し、通算アンダーパーは崎山を含めて3人。4打差2位にはフランキー・ミノザ(55=フィリピン)、3位に井戸木鴻樹(53)が入った。青木功(72)は通算15オーバーで54位だった。

◇   ◇   ◇

 崎山はただ一人、異次元のゴルフを展開した。

 アゲンストの風が吹くスタート1番。崎山の第2打は左手前にショートした。10ヤードほどのアプローチだったが、ピンに当たって直接カップに。ピンチは一転してチップインバーディーに変わった。続く2番でも第1打を左に曲げたが、池まで行かずに止まった。1つのミスですぐにダブルボギーになるコースで、2位ミノザと3打差の貯金を吐き出しかねない可能性があった1、2番を乗り切って、一人旅が始まった。

 追いかける側にとっては、逃げる崎山以上に厄介な強風。バーディーチャンスにはなかなかつかない。最終組で回ったミノザ、田村尚之、1つ前の井戸木鴻樹、山本昭一、芹澤信雄ら追いかけたい選手たちが、ことごとくボギーを先行させて崎山との差が離れていく展開。ホールを重ねるにしたがってアンダーパーの選手が次々と消えていく。「回っているときはドキドキでした」というが、スコアだけを見れば、崎山にとっては楽な展開になった。

 アウトで2つ伸ばして通算10アンダーでインに入った。なんとかこらえていたミノザが7、9番のバーディーで6アンダーとしていたが、スタート前よりも差が開いていた。10、11番でミノザが連続ボギーをたたき、崎山は12、14番で「ダメ押し」ともいえるバーディー。通算12アンダーでコースレコードに並び、残り4ホールで8打差。ほぼ決着がついたかに見えた。「残り4ホール全部ボギーにして、ミノザさんが全部バーディーでもプレーオフだなと思っていました」という。産みの苦しみかもしれないが、最後にちょっとだけ、試練がきた。

 15番、カート道に跳ねて木の後ろに行き、第2打をグリーンから遠いバンカーに入れて3オンせず。最後は1メートルのパーパットを外す。 17番、6メートルのパーパットだったが「手が勝手に動いてしまった」と1メートル強オーバーし、返しも外した。

 ミノザが伸ばせなかったが、2つのダブルボギーで、考えていた4オーバー分を使い果たし「上がりがみっともなかったですね。反省点です。緊張した場面でスコアをつくれるかが課題ですね」と、苦笑いした。終盤は不満の残る内容だったが、上位陣が軒並みオーバーパーの中、イーブンパーにまとめた。「初日に66で抜けた時に、優勝するにはどうしたらいいかを考えてプレーしていた」という。ピンを無理に狙わず、キャリーでグリーンに落とさない。「セカンドショットに神経を使った」と、コース攻略を説明した。

 最終組の2人も崎山を絶賛した。2位のミノザは「自分はショットをうまくコントロールできなかったが、崎山さんは厳しいコンディションの中でしっかりとショットをコントロールしていて素晴らしい」と脱帽。田村尚之は「崎山さんが最初に行ったからダメかなと。自分はドライバーが悪くてアイアン勝負に持っていけなかったけど、崎山さんには試合にかける思いの強さが伝わってきた。これがプロなんだなと思いましたね」と、たたえた。

 この日、横浜の大学に進学した長男・一成さん(18)が、急きょ応援に駆けつけた。「親元を離れて寮での学生生活でいろいろあると思う。いいところを見せたいという気持ちはありました。オヤジのこういう姿を見せることで、頑張れるかな」と、父の「仕事」もこなした。一成さんからは祝福の後「車ちょうだい」と、優勝副賞のメルセデス・ベンツC180をおねだりされたが「学生のうちは乗せません。僕が4年間乗って、使い古しをあげようと思います」と、笑った。

 5年前までアパレル関連会社に勤務していたが、シニア入りを控えて「正社員にするという話をいただいたのですが、自分はゴルフを選んだんです」と、固定給はなくなり「賞金稼ぎ」の生活になった。オフは自宅のある栃木県内の練習場でレッスンのアルバイトなどもしている。シニアを「楽しみ」としてとらえている選手たちも多いが、崎山にとっては生活がかかった場所になっている。春に九州で1カ月の合宿を行い、10キロのランニング中には「絶対負けない、絶対勝つぞ」と小声で唱えながら走っていたという。日々のトレーニングも欠かさず、体幹を鍛え「体的には痛いところはない」と体調を維持している。

 「難しいと言われていた2勝目がこんなに早くできると思わなかった。欲を言えばあと1回、2回、チャンスが来るかもしれない。プロシニアやシニアオープンで名前を残したいですね」と、年間複数回優勝、公式戦制覇が次の目標になった。その先にはシニア入りした時からの夢もある。米チャンピオンズツアーへの挑戦だ。「金銭的なこともあるので、自分のわがままだけでは行けない。余裕が出来て、家族に心配をかけないようになったら行こうと思っているんです。夢は諦めた訳ではないんです」。この優勝で賞金ランクトップに立った。1円でも多く稼ぐことで、海外への道も自然と開けてくる。

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