2020年度PGA資格認定プロテスト

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2020年度PGA資格認定プロテスト

最終プロテストPAST TOURNAMENT

過去のレポートLAST TOURNAMENT

2019年

川上優大がトップ合格! 合格者は287ストローク50位タイまでの51名!

72ホールの戦いを終え、静ヒルズは喜びと悔しさが入り混じった

72ホールの戦いを終え、静ヒルズは喜びと悔しさが入り混じった

 

2019年度PGA資格認定プロテスト・最終プロテストは、茨城・静ヒルズカントリークラブ(7,093ヤード/パー72)で行われ、トップ通過は最終日に65をマークし、2位に5打差をつけ通算15アンダーとした川上優大、26歳。最終プロテスト合格は3オーバー287ストローク、50位タイまでの51名となった。

 

2019年の大会成績はコチラ>>

第1ラウンド

悔しいテスト落ちから海外武者修行で培った力を武器に、毛利が首位スタート

悔しいテスト落ちから海外武者修行で培った力を武器に、毛利が首位スタート

 

 第1ラウンド、6アンダーで首位に立ったのは、プレ予選から進出してきた毛利一成と韓国出身で日本シニアツアー参戦中のソク・ジョンユルの2名。1打差3位には宮内孝輔、さらに1打差4位タイには、纐纈悠太(こうけつ・ゆうた)と北國譲斗志が続く。

◇ ◇ ◇

 昨年は、2次プロテストを通過できなかった。「一打ならまだしも、思いっ切り及ばずの力不足でしたから、落ち込みもしませんでした。自分の足りない部分がよく分かりました」。

 毛利一成、20歳。日本ウェルネス高校3年時にJJGA(日本ジュニアゴルフ)主催の全国大会で優勝。その資格でJGTツアーのカシオワールドオープンに出場した経験を持つ。「丸山大輔さん、岩元洋祐さんと同組でラウンドさせて頂きましたが、ツアープロとの力量差をまざまざと見せつけられた感じでした」。プロトーナメントのレベルの高さ、自分の力不足を痛感した毛利は一念発起し、武者修行としてフィリピンツアーに本格参戦する。母親の母国に渡り、苦労する道をあえて選んだのだった。

「コースは狭く、風が強く、試合のレベルそのものも高かったです。日本とフィリピンを4回往復し、8試合に出場して最高成績は8位タイでした」。帰国した際には練習場でアイアンショットに磨きを掛けた。武者修行のお陰でアイアンショットの精度が高まり、パーオン率もアップ。身長178センチ、体重70キロの恵まれた体型でドライバーショットの飛距離目安は285ヤード。この日は9番パー5ホールでの2オン1パット・イーグルのほか、5バーディーも奪取。ボギーを一つにとどめて65をマークした。

 2次プロテスト落ちから一年、武者修行で培った力を存分に発揮し、毛利は首位タイ発進を遂げた。「合格できたら(JGTツアーの)セカンドQT受験資格を得られるので、今年はファーストQTをあえて受けていません」。その強い意気込みが、好スコアをもたらしたと言えるだろう。

第2ラウンド

織田が63を叩き出し首位浮上、プロゴルファー人生を選びテストに挑戦

織田が63を叩き出し首位浮上、プロゴルファー人生を選びテストに挑戦

 

 第2ラウンドは、初日1アンダー26位スタートの織田信亮が63をマークし9アンダーでトップ。今年最年少出場者の北國譲斗志もスコアを5つ伸ばして首位に並んだ。1打差3位8アンダーには神奈川大在学中の小川龍清。

◇ ◇ ◇

 今年4月の岐阜オープンで並み居る現役ツアープロを抑えて、アマチュア優勝を果たした織田信亮が猛チャージに成功し、ビッグスコアを叩き出した。「63」。1イーグル・7バーディー・1ボギー。1アンダー・26位タイから通算9アンダー・首位タイにジャンプアップした。

「ショットは変わらず好調です。昨日は3メートルくらいのパットが入らず、1メートルを決められませんでしたが、今日はすべて入ってくれた感じです」と織田は振り返る。

 岐阜オープン優勝後、JGTツアー「中日クラウンズ」に出場した際、「あの子だね、勝った子は」とギャラリーから注目を浴びて緊張感がMAXに達し、本来のゴルフが出来ず仕舞いだったという。7月に開かれた日本アマチュアゴルフ選手権の前後は不調に陥り、予選通過を逃していた。それを機に自分のゴルフを見直した。

「ショットイメージをもっとしっかり出してからアドレスに入ろう。一球に、一打に集中して臨もう」と心に誓うと、不思議とスイングが安定し始めた。

 JGTツアーのファーストQTを受験し、見事に突破。セカンドQT出場資格を得た。

 ゴルフ好きの父・信久と一緒にゴルフショップに行った際、プラスチックのゴルフクラブをおねだりして買ってもらったのは3歳の時だった。それ以降、ゴルフに取りつかれ、現在は福井工業大学2年生となったが、アマチュアゴルフ競技生活に終止符を打ち、プロゴルファー生活の道を選んだ。「選んだからには自分がプロゴルファーである証が必要だと考え、PGAプロテストを受験しました。トップ合格を果たせたなら来年の日本プロゴルフ選手権の出場できるだけに、チャンスがあれば狙って行きます」。その発言が、すでにプロゴルファーらしかったのが印象的だった。

第3ラウンド

ショット精度とパット力に磨きをかけ石毛が5つスコアの伸ばして首位タイ

ショット精度とパット力に磨きをかけ石毛が5つスコアの伸ばして首位タイ

 

 第3ラウンド、北國譲斗志、織田信亮が通算11アンダーで連日の首位。5アンダー9位スタートの石毛巧が65をマークしトップに並んだ。1打差4位には3つスコアを伸ばした川上優大が続く。54ホールを終了後、46位タイの215ストロークから10ストローク以内の選手が最終ラウンドへ進出。225ストローク(+12)までの113位タイ115名が、最終ラウンドで50位タイまでの順位をかけて争うことになる。

◇ ◇ ◇

 通算5アンダー・9位タイから発進した石毛巧が、得意のアイアンショットでバーディーを量産し、通算11アンダー・首位タイの座に就いた。6バーディー・ノーボギー65の完璧ゴルフに思わず目を細める。

「最も長い距離が6メートル、残り5つのバーディーパットは2メートル以内でした。僕本来のゴルフが出来て本当に嬉しいです」と言って、さらに目を細めたのだった。

 第1ラウンドでスコアを一つしか縮められなかったのには理由がある。「試合の雰囲気に慣れていませんでしたし、様子見という感じでした。格好良く言っての話で、実は(パットの際)ビビッて手が思うように動いていませんでしたね」と、今度は苦笑いを浮かべた。

 太平洋クラブ益子PGAコースのシニアアドバイザーであり元支配人・植田浩史のもと、研修生として研鑽して来た。身長165センチ、体重63キロ。「僕はツアープロとしては決して恵まれた体格ではありません。若い子のドライバーショットは300超ヤード。その点、僕は飛んで270から280ヤード。ですから、たとえば420ヤードのホールなら若い子は300ヤード飛ばして残り120ヤード。ウェッジで打てる。僕は2打目が150ヤード前後になるので8番アイアンを手にすることになる。でも、そのアイアンでピンにビタッと着けてバーディーを奪えばいいと考えています」。

 その言葉どおり、この日バーディーチャンスに着けたピンまでの残り距離は115、135、150、155、160、170ヤード。ウェッジとミドルアイアンで打っている。「飛ばない分、曲げなければいい。2打目でグリーンに乗せたり、ピンに絡めたりしたならスコアは縮められる。去年の日本オープンを制した稲森佑貴もそれほど飛ばないけれど曲がらないショットが武器。ツアーで十分戦っている。実は同年齢なんです。稲森が、稲森のゴルフが目標です」と石毛は語気を強めた。

 ショットの精度とパット力に磨きを掛けてこのプロテストに臨んだ。「ショートゲームが生命線。パット練習では渋野日向子ドリルのようにカップを中心にして1.5メートルの距離を4方向から打つことを何度も繰り返してきました」。その成果が実を結んでの首位タイ。「植田プロからは、頑張って来い! と励ましの言葉を頂いて出て来たので、喜んでもらえるような結果を残したいです。明日の18ホール。今日のようにコツコツ(打って)ポン(と入れる)ゴルフに徹します。それが僕のゴルフですから」と石毛。自分流ゴルフの集大成としてトップ合格を果たしたい。

最終ラウンド

川上がトップ通過!練習を工夫し夏場の調子をあげて成果を出す

川上がトップ通過!練習を工夫し夏場の調子をあげて成果を出す

 

 最終ラウンドの朝。スタートまもなくすると雨がシトシトと降り、プレッシャーのかかる最後のラウンドをじわじわと苦しめた。ようやく昼過ぎにコースが明るくなり、選手たちは長く厳しい72ホールの戦いにピリオドを打ち始める。静ヒルズは、選手それぞれの喜びや悔しさが入り混じる声が聞こえてきたのだった。今年の最終プロテスト合格は3オーバー287ストローク、50位タイまでの51名となった。トップ通過は65をマークし2位に5打差をつけ通算15アンダーとした川上優大、26歳。川上は来年の日本プロへの出場権を獲得した。

◇ ◇ ◇

 鉛色の雲がコースを覆い尽くしていた。昨日は夏の終わりを告げるかのように、うるさく鳴いていた蝉の声が聞こえない。最終ラウンド。アウト・インコースともに午前7時30分スタート。

 今年はスコアトップの選手から上位4人がアウトコース1番組で、それに続くスコア上位4人がインコース1番組で、さらにそれに続くスコア上位4人がアウトコース2番組でスタートする方式が採用されていた。成績上位者には、グリーンコンディションが良い状態でプレーできる「特典」が与えられたのだ。通常「トーナメント」でのスタート組み合わせでは、スコア上位者が遅いスタートとなるが、プロ「テスト」という区別での配慮でもあった。

 アウトコース1番組が2番ホールのティーショットを打ち終えた時に、雨粒が落ち始める。蝉は雨が降り出すことを察知し、鳴くことを控えていたのだ。

 通算11アンダー・首位に並んだ北國譲斗志、織田信亮、石毛巧の3人と、通算9アンダーの川上優大が栄えあるアウトコース1番組。川上は2番パー4ホールでパーオンしたものの、バーディーパットの距離は18メートル。それを打った途端、川上は苦笑いを浮かべた。「ラインには乗っていましたが、タッチがあまりにも強かった。そのうえ、カップインするなんて」と川上は不敵な笑いの理由を明かした。

 7番パー4ホールではカップの段下から10メートルを、8番パー3ホールでも10メートルのパットをカップに放り込む。9番パー5ホールではツーオンを狙った2打目をグリーン右手前の池に入れながらもボギーにとどめた。前半でスコアを二つ伸ばしてバックナインに入った。

 首位の3人がスコアを伸ばせずにいるプレーを目の当たりにしながら、川上は自分のプレーに徹した。「首位とは2打差の最終ラウンドでしたから、攻めて攻めて行くしかない。プロテスト受験を仲間から誘われ、受験することを決めた時に決めたのです。受けるからにはトップ合格する!と」。

 昨年のJGTツアーのサードQTに失敗し、ツアー出場資格を得られなかった。夏場を迎えると例年ゴルフの調子が落ちてしまう傾向にあったことから、練習の取り組み方を見直した。同じ練習法をしたのでは何も変わらない。「ラウンド後には必ず練習をし、スイング修正を行うように変えました。それとパットレールを使ったパットドリルを沢山行うようにもしたのです。お陰でパットをラインに乗せて打ち出す感覚、ストレートストロークの感覚が磨かれ、パットの調子がとっても良くなりました。上手い人、シード選手の感覚ってこうなのかと思ったほどです」。

 川上は2015年にプロ転向し、翌16年には下部ツアー「ひまわりドラゴンCUP」でプロ初優勝を飾っている。だが、レギュラーツアーにはこれまで9試合に出場し、予選通過は18年のダンロップ・スリクソン福島オープン(51位タイ)1試合しかない。

「今年はファイナルQTまで進み、来年のツアー前半の出場資格を取るのが第一目標なのです」と話す。今8月は18回ラウンドし、オーバーパースコアは2回しかなかったほど、かつての「夏場は不調」を払拭して、プロテストに臨んでいたのだ。

 14番パー5ホール。通算12アンダー首位の北國に1打差と迫った川上はレイアップした3打目をピン奥7メートルに乗せた。北國もパーオン。7メートルのバーディーパットをねじ込んだ川上に対し、北國は痛恨の3パットのボギーを打ち、順位が入れ替わる。川上がついに単独首位に立ったのだった。

 15番パー3ではオナーの川上がカップ2メートルにティーショットを着け、連続バーディー奪取に成功。この時点で2位の北國との差を2打に広げる。

 17番パー4ホール。「残り2ホールしかなくなり、川上さんに追い着くにはバーディー、バーディーで上がるしかないと思いました」。土壇場に来て、逆転された北國は追い詰められていた。ティーショットが左のラフに捕まり、しかも左足、つま先下がりのライにも関わらず、池越えのピンに向かって勝負を賭けたフルショット。ボールは池に波紋を描いた。

 首位を走る川上は1.5メートルのバーディーパットを確実に沈め、最終ホールでも1.5メートルのバーディーパットを決めた。7バーディー・1ボギー65。通算15アンダーで2位に5打差を着けての逆転首位合格を果たしたのだった。

 「ゴルフの組み立て方はプロの試合で積み重ねて来ていましたからね。ツアープロとしてのアドバンテージが、この逆転をもたらしてくれたと思います。来年の日本プロゴルフ選手権出場資格が得られ、まずはツアー1試合の出場確定は嬉しい。さらに出場試合数を増やせるようにツアーQTでもこの調子をキープして臨みたいです」。

 スコア提出後、川上はトップ合格が確定するまで、練習グリーンでパットドリルを繰り返していた。「ラウンド後の練習」は、いつでも欠かさないと自分に言い聞かせるように――。

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