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第20回(2018年)
若杉和浩が最終日に6つスコアを伸ばし、逆転で大会初優勝!

ティーチングプロ選手権初優勝を果たした若杉和浩
「第20回PGAティーチングプロ選手権大会 ゴルフパートナーカップ」は、最終日に20位タイスタートの若杉和浩(46・B級)が、7バーディー、1ボギーで猛追し、通算6アンダーで逆転、大会初優勝を飾った。若杉には優勝杯と特別協賛者杯、そして賞金100万円が贈られ、2019年の日本プロ出場権も獲得した。首位スタートの内藤裕之(46・TP-A)は、スコアを伸ばせずに通算5アンダー2位タイ。同じく、内海道生(38・TP-B)が70をマークし、通算5アンダーの2位タイで大会を終えた。
第1ラウンド

教え子にも示しのゴルフを! 内藤が3年ぶりのタイトル奪還を狙う
120名がタイトルをかけて戦いに挑む「PGAティーチングプロ選手権大会 ゴルフパートナーカップ」の第1ラウンド。5アンダーで首位に立ったのは、内藤裕之(42・TP-A)。1打差4アンダー2位に岡野友和(41・A)。3アンダー3位タイには、秋元幸広(31・TP-B)、内海道生(38・TP-B)、松川明敬(42・TP-A)、小倉雅人(49・B)が続く。
2015年覇者の内藤が、3年ぶりの優勝に向けて5アンダー67で首位に立った。2番パー5のバーディーで波に乗った。第2打でいい当たりがグリーンオーバー、左足下がりの難しいアプローチの上、ボールには泥がべったりついていた。「でも、それがよかったんです。下りをトロトロ転がってくれたんで、うまく寄ってくれた」と、2メートルに寄せてバーディー。9番パー5で1メートルを入れ、後半に入って調子が上がった。16番までに4バーディー。17番でボギーにしたものの、歴代優勝者の力を見せた。
北海道・札幌のセブンゴルフセンターで週3回のレッスンをしている。最近では「小学生から大学生までのジュニアの育成に力を入れています」と、14人のジュニアの指導もしている。「だから必死にゴルフしていますよ。簡単に負けたら、教育上よくないんで」と笑った。3年ぶりのチャンスに「自分のスコアをどう伸ばせるか。明日もショットがうまくいって、嫌なパーパットを残さないようにやりたい。勝ちたいと思っています」と、優勝を見据えていた。
最終ラウンド

逆転で若杉が初タイトル! これからのレッスンにも価値ある優勝
若杉和浩(46・B級)は、優勝が決まってもあまり表情は変わらなかった。「正直うれしかったですよ。よかった」と笑顔にはなるが、たぶん半信半疑、信じられないという気持ちの方が強そうだった。
「朝、後輩と食事していて、この大会は最終日あまり伸びない傾向があるので、大まくりしようかと、冗談で言っていたんですけど。まあ、4アンダーぐらいで上位にという気持ちはありましたが」と、通算イーブンパー、首位に5打差で最終組の5組前でのスタートに、いい意味でプレッシャーはなかった。
前半3つ伸ばして折り返した。「後ろのスコアは全く知らなかった」と、順位を上げていたが、実感はなかった。13番パー3が「優勝」への道筋になった。左に引っ掛けてラフに打ち込む。「左足下がり、前下がり。上げようとしたけど、思ったより飛んでしまって、全然強かった」という、ティーチングプロとしてはミスショットの部類だったが、ピンにガツンと当たってカップイン。通算4アンダーとし、続く14番でも3メートルを入れ、この時点で7アンダーで首位を行く内藤に2打差に迫った。その内藤が12番でダブルボギーをたたいて5アンダーになった直後、16番パー5で第3打を1メートルにつけて6アンダーとして抜け出す。ただ、首位に立ったとは知らなかった。
最終18番で上5メートルのバーディーパットを打つ前「これを入れたら3位以内は確実だろう」と思ったという。外してホールアウトして首位と聞かされた。「もっとみんな伸ばしているものだと思っていましたので。びっくりです」と、ここから緊張した表情に。インターネットテレビでコメントした後、プレーオフに備えて練習グリーンに。そこで優勝を知った。
初めてのビッグタイトル。20歳の時に機械部品を製造する会社を経営していた父の影響でゴルフを始めた。父の会社に1年勤務後、研修生となり、25歳の時に指導員助手の資格を取って「徐々に上がって今はB級になりました」という。
岐阜のゴルフ5カントリーみずなみコースに勤務しながら昨年までレギュラーツアーのQTに挑戦し続けてきた。「1度も通ったことはないんです」と、ツアー出場の夢を追い続けてきた。この優勝で、2019年の日本プロへの出場権を得た。それがレギュラーツアー初出場となる。
QTへ挑戦していたこともあって、本格的なレッスン歴は1年半ほどしかない。この優勝を今後のレッスンにも生かせるだろうか? 「たぶん、説得力が出ると思います。下手な人に教わるより、うまい人に教わったほうがたぶん、喜ばれるのではないでしょうか」。本人にも生徒にも価値ある優勝になった。