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2020 第7回マルハンカップ 太平洋クラブシニア

〔マルハン太平洋シニア・FR〕篠崎に転がり込んで来たシニアツアー初優勝


 シニアツアー第3戦「マルハンカップ 太平洋クラブシニア」の最終ラウンド。
通算9アンダーで並んだ、塚田好宣(51)と篠崎紀夫(50)によるプレーオフに突入。18番ホールで行われた1ホール目、ボギーにした塚田に対し、パーパットを決めた篠崎がシニアツアー初優勝を遂げた。
首位スタートの藤田寛之(51)は3位タイでシニアツアーデビュー戦を終えた。

 

 

 

 最終組の一組前で回っていた篠崎紀夫が、プレーオフの末にシニアツアー初優勝を手にした。レギュラーツアーでの2007年ANAオープン以来、13年ぶりの「ツアー優勝」を篠崎は「もぎ取った」ではなく、「転がり込んで来た」と評したのだった。

 通算4アンダー・5位タイから発進した篠崎は前半でスコアを3つ伸ばし、通算7アンダーでハーフターンする。「上位に行けたら、いつもそう思ってプレーはしているんです。藤田(寛之)君は同期ですけど、レギュラーツアーで、まだ現役で活躍している選手ですし、昨日のスコア(7アンダー・65)でも、違いを見せつけられたので…。どれだけ追いつけるかという気持ちでスタートしました」。篠崎は藤田との3打差は、数字以上の開きがあることを感じていたようだ。

 

 

 ツアー出場順位を決める最終予選会で1位の座を射止めて今季を迎えた。シード権獲得を第一の目標に定めたが、コロナ禍によって肝心のトーナメントが開かれない状況が続いた。「ショートコースを併設した屋外練習場が所属先ですから、毎日のように出掛け、クラブを握って球を打つことができました。基本を今一度見直し、再開する試合に向けていつでも臨めるようには練習していたつもりです」。

 サンデーバックナインに入り、13番パー3ホールでバーディー奪取したが、15番パー4ホールをボギーにしてしまう。

 迎えた17番ホールは、195ヤードのパー3ホール。同期の塚田好宣が通算9アンダーで首位に立っていることを確認した。「もっとスコアを伸ばすだろうと思っていたので、自分は(上位キープのために)これ以上スコアを落とさないようにしよう。最低限出来ることをやろうと思いました。とりあえず、グリーンに乗せてできれば1パット、最低でも2パットでホールアウトしようとしか考えていませんでした」と篠崎は振り返る。

 

 6番アイアンでのティーショットはピン手前6メートルを捕らえる。ストレートライン。富士山を背にしてのパットは、カップに吸い込まれる。バーディー奪取で通算8アンダー。グリーンを取り囲んだギャラリーが歓声を上げた。

 

 

 

 最終18番パー5ホール。3打目はピン奥6メートルを捕らえた。下りのライン。決まれば首位の塚田に並ぶ。緩いスライスラインだと読んだ。勝負の一打。しかし、ボールを打ち出すと篠崎は歩き始めたのだった。「(カップ手前ボールが)最後にスライスしそうになく、そのまま左カップに抜けて行くと思ったんです。それが、誰かが押し戻してくれたかのように右に転がってくれて入りました」。滅多に派手なガッツポーズを取らない篠崎が、右拳を天に向かって突き上げる。首位に並ぶバーディー奪取だ。

 

最終組の塚田は18番ホールをパーでフィニッシュ。練習ラウンド仲間でもある塚田とのプレーオフに勝負の行方はもつれ込む。

 同1ホール目。塚田が4オン・2パットのボギーでホールアウト。3オン・2パットの篠崎に軍配が上がったのだった。

 

 

「帯同のハウスキャディーさんが『プレーオフはカートではなく、自分がキャディーバッグを担ぎます』と言うので、1ホールでも早く決着を着けてあげたい思いが強まりましたね。あっ、この話は内緒だったんですけど」と篠崎。勝ちたい思いよりも、帯同キャディーを楽にしてあげたい思いが、勝利を引き寄せたのかも知れない。

 

 

 大会が始まる前日のプロアマ大会でのこと。スタート待ちの篠崎と雑談をしていると、視線が18番グリーンサイドにくぎ付けになったようだった。「この大会の優勝副賞の車ですよ」と教えると「実は車を買おうと思っていて、大会終了後にディラーへ行く予定なんです。勝てたら、この車を頂けるんですね」。篠崎は目を輝かせた。「そう簡単に優勝は出来ませんよね。でも、狙ってみますかね」。有言実行。篠崎は勝利の美酒と優勝副賞の車を手に入れたのだった。

 

 

 

(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)