第61回日本プロゴルフシニア選手権大会 住友商事・サミットカップ

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第61回日本プロゴルフシニア選手権大会 住友商事・サミットカップ

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第60回(2021年)

立山光広、レギュラー・シニアを通じて初のツアー優勝を公式戦で飾る

ツアー初優勝をメジャーで飾った立山光広

ツアー初優勝をメジャーで飾った立山光広

 

「第60回日本プロゴルフシニア選手権大会 住友商事・サミットカップ」は最終ラウンド、立山光広(53)が、前半6アンダーの猛チャージで首位の塚田好宣(52)を逆転し、通算19アンダーとして、シニアプロ日本一に輝いた。レギュラー、シニアを通じて初のツアー優勝を公式戦で飾った。塚田は、寺西明(55)とともに2位に終わった。

2021年の大会成績はコチラ>>

第1ラウンド

8アンダー首位比嘉は相性の良いコースでリベンジを狙う

8アンダー首位比嘉は相性の良いコースでリベンジを狙う

 

 比嘉勉(58)が8アンダー64で飛び出した。10バーディー、2ボギーの64をマーク。2位秋葉真一(56)に2打差をつけ、前年に続いて第1ラウンド首位スタートになった。3打差3位に坂本圭治(50)、丸山大輔(50)、野仲茂(50)の若手がつけた。3年ぶり出場の中嶋常幸(66)、尾崎直道(65)、倉本昌弘(66)の永久シード選手が3アンダー18位と好スタートを切った。

◇ ◇ ◇

 比嘉には前年の苦い思い出がある。第1ラウンドで首位に立ち、第2ラウンドも首位を守ったが、最終ラウンドで崩れて4位に終わった。「2年連続初日首位っていうのも珍しいでしょ」と笑ったが、悔しい記憶は残っている。

 10バーディーを積み上げたこの日。「正直、ゴルフをあまりやっていないんで、予選を通れば、ぐらいの気持ちで来たんです。いい選手(伊澤利光、溝口英二)と回らせてもらって、飛距離は離されないようにと思ってやったんですが、やっぱり(コースと)相性がいいんですかね」と振り返った。

 2番で10メートルを入れてから3連続バーディー。7番からは4連続バーディーで10番では9メートルを決めた。「長い2つは、寄せようと思ったのが入ったんですけど、ラインは読めていた」と話した。13、14番連続バーディー後、「11アンダーぐらいまで行ってやろうと思いましたよ」というが、15番で「体が止まって」左に外して初ボギー。16番で取り返したが「17番がね」と、1メートルのパーパットを外したことを悔しがった。

 「去年の最終日と同じ距離で『この一打でシード権を落としたんだ』と頭をよぎったら外してしまった。真っ直ぐ打ったら切れた」と振り返る。決めていれば、日本プロシニアの18ホール最少スコアタイ記録(9アンダー)になる可能性もあった。ゴルフは悪いイメージが残りやすいと言われる。そんなゴルフの罠にはまった感じだ。

 前年とは、自身の練習環境も変わった。4月からフリーになり、ゴルフ場で練習する機会が減った。今は週3回のスクールを中心に週100~110人ほどを教えている。「ラウンドレッスンの時に練習場で打ったりしていますけど、小技を練習する機会はほとんどなくなりましたね」という。これが「ゴルフをあまりやっていない」という言葉に表れる。

 「このコースは飛ばし屋向きなので、自分に合っている訳じゃないと思うんです。でも、パッティングは嫌いじゃない。ここのグリーンは、人より読めているのかなと思います」と、強みを見つける。

 あと3日、もちろん前年のリベンジはしたい? 「いえいえ、また同じになりますよ。そのぐらいの気持ちでやります」。負の記憶を吹っ切れれば、うれしい結果が待っているかもしれない。

第2ラウンド

シンプルに考えた塚田が13アンダーで首位逆転

シンプルに考えた塚田が13アンダーで首位逆転

 

 塚田好宣(52)が、4連続バーディーなど9バーディー、1ボギーの8アンダー64をマークし、通算13アンダーで首位に浮上した。1打差2位で前日首位の比嘉勉(58)が追う。髙橋勝成(71)が2日連続71のエージシュートを達成し、2アンダー28位で大会最年長予選通過となった。通算イーブンパー50位タイまでの61人が決勝ラウンドに進出した。

◇ ◇ ◇

 「適当」という言葉。

 「適当な奴」など悪い意味で使われることが多くなっているが、本来は「うまくあてはまる。ふさわしい。ほどよい」といった「いいこと」を表す。

 8アンダー64で回って首位浮上の塚田は「適当っていうと言葉が悪いかもしれませんが、あれこれ考えないでやろうとしたんです」。悪いことではありません。

 午前インスタートで、序盤から飛ばした。11番で右下7メートルを入れて進撃開始。12番2.5メートル、13番7メートル、14番3メートルと4連続バーディー。15番ではバンカーに落としたが、絶妙の寄せでパーを拾い、16番パー3では手前1メートルにつけて、インだけで5バーディーを奪った。

 後半になって少し足踏みした。5番で手前にショートしたが、11ヤードをチップインして、エンジンが再点火。3連続バーディーを奪った。17番で初ボギーをたたいたが、最終18番パー5で第2打をグリーン右バンカーまで運び、1.5メートルにつけて、この日9バーディー、1ボギーだった。

 爆発の要因は? 「調子は上がっていたんです。でも試合で結果が出なかった。なんでだろうって考えたんです。練習ラウンドでは、調子が悪くてもいいスコアが出る。キャディーさんに距離を聞いて、風を聞いて、パッと打つ。グリーンでもファーストインプレッション(第一印象)でライン見てパッと打つ。練習グリーンだとポンポン入るじゃないですか。試合でもそうじゃないかと思って。あれこれ余計なことを考えすぎていたんじゃないかと思います」。そして先の「適当」という言葉を続けた。

 シニア3年目。2年目まではコンスタントな成績は上げてきたが、優勝はない。前年のマルハン太平洋シニアでは同学年の篠崎紀夫とのプレーオフに敗れ、シニア優勝で先を越された。「シンプルに考えようと思いまして。どうも心配するというか、慎重にやりすぎるんです」。21年はトップ10に1回、賞金ランク35位と、ゴルフの調子に成績が付いてきていない現状をどう打ち破るか。今の答えが「適当」だった。

 首位で迎える決勝ラウンド。「優勝は周りの人もいるので、明日(第3ラウンド)が終わってから考えたい」と前置きし「明日は3つ、4つ伸ばせたら(優勝を考えられる)いいところにいると思う」と話した。残り2日間、この日のように「適当」に行けば、今度は結果がついてくるかもしれない。

第3ラウンド

首位キープ塚田 初優勝そして日本タイトル奪取に挑戦

首位キープ塚田 初優勝そして日本タイトル奪取に挑戦

 

 首位スタートの塚田好宣(52)が、3アンダー69とスコアを伸ばし、通算16アンダーで首位を守った。この日は風が強くなったが、5バーディー、2ボギーにまとめ、公式戦でのシニア初優勝に王手をかけた。3打差で立山光広(53)、4打差で比嘉勉(58)が追走している。

◇ ◇ ◇

 塚田は珍しく「緊張していました」と明かした。首位でのスタート。1番パー5で第2打をグリーン手前10メートルほどに2オンに成功。イーグルトライを1メートル強ショートしてのバーディーパットがカップに蹴られた。3パットのパーに「実は緊張していました」という。

 どちらかというと、ポーカーフェイス。あまり喜怒哀楽を表情に出さないタイプ。しかも、追いかける秋葉真一がイーグルを決めて、その時点で1打差に比嘉、2打差に秋葉という状況になった。

 緊張の原因は順位? 「いえ、風が強くなって、昨日とは感じが変わってしまって。このコースは風の向きがバラバラになる。ティー、セカンド、グリーンでまた変わる。それでちょっと慎重になっていました」と振り返った。

 3番で5メートルのバーディーパットが決まって落ち着いた。5番では「ピンまで16歩」というロングパットが決まった。追いかける選手にプレッシャーを与えられたのは大きかった。

 大会3日間、一貫してショットの調子はいい。後半は風のジャッジで2つのボギーをたたいたが、常にバーディーを先行させて隙を与えない。最終18番では、コースの真ん中にあるバンカーのすぐ手前までドライバーで運んだ。第2打はグリーン手前のラフだったが、アプローチで寄せてバーディー・フィニッシュ。危なげなく首位を守った。

 スコアボードを確認しながらプレーしている。「実は2013年の全英オープン(リバプール)で、予選カットラインが分からず、周りにいた誰も教えてくれなかったので、最終ホールでOBにして1打差で予選落ちした。それからは自分の状況を把握したいので、絶対見ます」と、理由を話した。

 シニア初優勝を公式戦で飾るチャンスが来た。2位とは3打差ある。「調子がいいことを信じてやりたい。日本とついているタイトルを1回は取りたいのは間違いないです」。緊張しそうですね。「すると思います。でも、緊張できるところに自分がいるという事なので」。緊張を楽しめた先が楽しみだ。

最終ラウンド

立山が逆転で嬉しいシニアツアー初優勝!

立山が逆転で嬉しいシニアツアー初優勝!

 

 立山光広(53)が、前半6アンダーの猛チャージで首位塚田好宣(52)を逆転、この日66で回って通算19アンダーとし、シニアプロ日本一に輝いた。レギュラー、シニアを通じて初のツアー優勝を公式戦で飾った。塚田は、寺西明(55)とともに2位だった。高橋勝成(71)が70で回り、第1、2ラウンドに続きこの大会3度目のエージシュートを達成した。

◇ ◇ ◇

 優勝スピーチの締めはなんと「バンザイ」だった。

 立山は「スピーチを考えていたら、倉本PGA会長があいさつで全部言ってしまったんで、どうしようかと。お礼だけは言いたかったんですけど」という。スピーチの最後に「もういいですか?」と切り出した時に「誰かがバンザイしたんで、じゃバンザイで、と」と笑った。

 万歳したくなるような、会心の最終ラウンドだったのは間違いない。首位塚田に3打差3位でスタートした。1番パー5でいきなりバンカーに入れたが、フェアウェイに出し、2メートルにつけてバーディー発進。2番パー3では9番アイアンで2.5メートルにつけてバーディー。1打差に迫った。3番。右下5メートルにつけた。「今日はパット、ショットの距離感がよかった」と振り返るように、ジャストタッチで入れて3連続バーディー。このホールでボギーにした塚田をあっという間に抜き去って首位に立った。この時の気持ちは? 「あーあ、逆転しちゃったって思いました。逃げるより追う方が楽なのに」と、思わぬ速さの逆転に戸惑いもあったようだ。

 「今日は同級生や、北海道からも友達が応援来てくれて。うるさいのばっかりで、でかい声で応援してくれて楽しかった」という。「ナイスバーディー」の声が響く方へ、手を挙げて応える。そのたびに調子に乗っていく感じになった。有観客開催が、後押しした形だ。

 7番で1.5メートルを入れてから、3連続バーディーで突き放す。9番で塚田がボギーにしたため、この時点で5打差の大差がついて後半へ。流れはもう立山のものだった。15番で2メートルを入れて20アンダーに到達。21アンダーの大会最少スコア記録更新への期待もあったが、本人は「知りませんでした。でも最後(18番)左の土手に打ち込んでボギーでしたが、それも僕のゴルフなんで」と、19アンダーに終わってもあっさりしたものだった。

 公式戦でツアー初優勝の気持ちは? 「びっくりしましたね。これで来年は駐車場を探さなくていい」。大会では歴代覇者にはクラブハウス近くに駐車スペースが用意される。今年はコース入りして駐車スペースを自分で探して入れていたが、来年は名前入りの特等席が用意される。

 東京・江戸川区出身で4歳から野球をしていた。「あだ名は甲子園だったんですよ。それぐらいうまかったということじゃないですか」。元々、冗談とも本気とも思える発言が持ち味だ。

 中3から同級生の勧めもあってゴルフを始めた。高校へ行くにあたっては、その同級生から「伊澤というすごいやつのいる学校にしよう」と誘われて、日体荏原高に進学。伊澤利光の家に下宿して「伊澤さんの横で寝ていました」という。同級生に西川哲がいる。「いつも『お前にはゴルフが一番向かないスポーツ。野球もサッカーもできるのに、ゴルフだけはそこそこしかできない』って言われるんですよ」と笑う。表彰式では伊澤に「おめでとう」と祝福された。

 プロテストに挑戦したが、途中でサラリーマンも経験。28歳の時に8回目のテストで合格した。レギュラーツアーではシード権は取れるが、優勝までは行きつかなかった。2006年のアコムインターナショナルでは同じ茨城県の石岡GC8番でツアー記録の19をたたいた経験がある。初優勝が同じ茨城県というのも何かの因縁か。

「シード資格を落として2、3年してからは、がむしゃらにゴルフをできなかった。でもシニアが近くなって、せっかく戦えるステージがあるんだからと思って一生懸命練習するようになった。レギュラーツアーの時は練習とかしてなかったんですけどね」という。

 今季は最終予選会で44位と振るわず、出場試合は限られていた。これで3年シード権を獲得した。「来年のために、このコースでやる第1次予選会(12月9、10日)に来るつもりでいたんですけど、来なくてよくなったねって言われて、ちょっと寂しいんですけど」と笑う。

 優勝スピーチで「これからスピーチに慣れるように頑張ります」と話した。公式戦覇者としてどう頑張る? 「調子に乗らないようにします(笑い)。今回、朝晩練習したんで優勝できたと思う。これからもホールアウトしたら練習します」。

 シニアには個性豊かな選手が多いが、その中でも異色のチャンピオンの誕生になった。

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