2023年度PGA資格認定プロテスト

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2023年度PGA資格認定プロテスト

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2017年

石徳俊樹がトップ合格! 合格者は299ストローク、44位タイまでの50名

戦いを勝ち抜いた50名、合格おめでとうございます!

戦いを勝ち抜いた50名、合格おめでとうございます!

 

2017年度PGA資格認定プロテスト・最終プロテストは、石川県の片山津ゴルフ倶楽部白山コースで行われた。トップ通過は通算6アンダーとした石徳俊樹(23歳・広島CC)。最終プロテスト合格者は11オーバー299ストローク、44位タイまでの50名となった。

 

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第1ラウンド

吉桑が9バーディー・1ボギーの64で首位スタートを切る

吉桑が9バーディー・1ボギーの64で首位スタートを切る

 

 通常の試合だったらクラブハウスに向かう道すがら、快哉を叫んでいたに違いない。喜びを押し殺すのが精一杯だった。

「今日は運がとても良かったです。ショットを曲げてしまい、林の方向に行ったボールが木に当たって止まり、前方に打ち出せたり、ミスパットだったのに最後のひと転がりでカップインしたりしましたから(苦笑)。ドライバーショットでフェアウエイを捕らえられ、ミドルパットが良く入ってくれました」。

 この日のゴルフを振り返りながら、話している途中でも笑顔がこぼれてしまう。吉桑佑太選手(22)は9バーディー・1ボギー64(32・32)をマーク。パット数23。これまでのベストスコアが66だっただけに、最終プロテスト初日にベストスコア更新のラウンドは大満足だ。

「初めての受験で、試合とは違う緊張感があり、集中力も普段以上に高まりました。それが奏功したと思います。出来すぎのゴルフでしたが、明日からも1ホール1ホール集中力を切らさず、スコアを気にせずプレーして行きたいです」。

 バーディーが取れるホールは確実にバーディーを奪って行く。この目標を明日も実践してテスト合格を目指す。

第2ラウンド

芦沢はスコアを伸ばし首位タイ!さらなる上を目指す

芦沢はスコアを伸ばし首位タイ!さらなる上を目指す

 

あいにくの雨の中、通算7アンダーで首位に立ったのが芦沢宗臣(22歳・田辺CC)と松原大輔(22歳・フリー)の2名。1打差の3位タイには永澤翔(22歳・フリー)と徳永圭太(22歳・宝塚ゴルフ倶楽部)が続いている。

◇   ◇   ◇

 アウト・インコースともに午前7時30分からのスタート。前夜からの雨は、日が変わっても降り続いた。インコース2組目、午前7時40分にティーオフした芦沢宗臣選手(22歳・田辺CC)は、10番パー4ホールで幸先よくバーディーを奪取した。前半を3バーディー・1ボギーとしてハーフターン。雨は小やみになり、やがて上がった。

「昨日はパットが決まらず、スコア(2アンダー)を伸ばし切れませんでした。今日はショットがさほど良くなかった分、パットが入ってくれました(パット数26)」と芦沢選手は振り返った。

 後半は2、3、5番ホールでバーディー奪取し、上り3ホールでもバーディーチャンスに着けたが、すべてショートしてしまった。「グリーンが遅く、芝が伸びた感じで最後の方はタッチが合いませんでした」。

 今春、同志社大学を卒業し、練習環境に恵まれていることから京都府の田辺CC練習生となった。ハウスキャディー仕事をしながらツアープロを目指して練習を積み重ね、この最終プロテストを迎えた。

「関西学生ゴルフ選手権で2度2位になったことはあるのですが、優勝したことはありません。(通算7アンダー・首位タイ)この位置にいるので、出来るだけ順位をキープして行きたいです。明日は雨、風が強まる天気予報なので、距離のジャッジが大切になって来ると思いますが、自分のプレーを見失いように努めます」。

 来週はJGTOツアーのQT(クォリファイング・トーナメント)が控えている。ゴルフ人生初の頂点に立ち(優勝し)、その自信を胸にQTに挑みたいのが本心だ。

第3ラウンド

トップ合格は譲れない!最終日の猛チャージにかける徳永

トップ合格は譲れない!最終日の猛チャージにかける徳永

 

連日雨のコンディションで、思うようなプレーができず受験生たちは苦しむ中、スコアを4つ伸ばし通算10アンダーで首位に立ったのが永澤翔(22歳・フリー)。3打差の2位には芦沢宗臣(22歳・田辺CC)。尚、第3ラウンドを終了し、8オーバー43位タイのスコアから10ストローク以内の122名が第4ラウンドに進出した。

◇   ◇   ◇

 第3ラウンド最終組は通算7アンダー首位タイの芦沢宗臣選手(同志社大学卒)、同じく首位タイの松原大輔選手(日本大学卒)、1打差の通算6アンダー・3位タイ永澤翔選手(東北福祉大学卒)、徳永圭太選手(大阪学院大学卒)。永澤選手以外の3選手は関西出身の同期でジュニア時代からの顔見知り。永澤選手とは大学の全国大会で顔を合わせていた。大学を卒業し、ともにツアープロとして生きて行く道を選んだ。最終プロテストでトップ合格を目指し、直接対決になるとは誰が想像しただろう。

 永澤選手が好調なプレーを展開し、芦沢選手が食い下がる。松原選手がスコアを落とす。さらにスコアを落としたのが徳永選手だった。

 スコアを2つ落として迎えた17番パー3ホール。ピンまで184ヤード。風は左からのアゲンスト。強い球でピンを狙った7番アイアンショットは「しっかりダフってしまって…。ボールの行方を見ずともわかる池ポチャショットでした」と徳永選手は苦笑い。痛恨のダブルボギーを叩き、さらにスコアを落としてしまった。

 最終18番448ヤードのパー4ホール。風は止んだ。前のホールで叩いた悔しさを晴らすかのようにドライバーを振り切り、2打目はピンまで165ヤード。9番アイアンを選択し、ピンをデッドに狙ったショットはイメージ通りの弧を描く。「入れ!」と心の中で叫ぶ。ボールはフラッグにぶつかり、ピンに根元にポロリと落下した。

「ゴルフ漫画の旗包みで、ショット・イン・イーグル!と思ったのですが、OKパットのバーディーに終わりました。最後のホールのショットでスコアを一つ取り戻せたし、明日につながり好感触、好印象、好イメージが持てました」。徳永選手は細い目をさらに細めて白い歯を見せた。この日は3バーディー・4ボギー・1ダブルボギー75。通算3アンダー・5位。首位の永澤選手は通算10アンダー。その差は7打。

「第1ラウンドで8アンダーをマークした選手がいましたが、明日は僕が9アンダーを出してみせますよ。それぐらいの気持ちで挑みます」

 同期にトップ合格は譲れない。頂点を目指しての猛チャージを最終日に繰り広げる覚悟と感触がある。明日は天候回復の見込みとあって徳永の眼光はさらに強まった。

最終ラウンド

トップ合格を勝ち取った喜びを「自信」に変える! 厳しい世界への歩みだした石徳

トップ合格を勝ち取った喜びを「自信」に変える! 厳しい世界への歩みだした石徳

 

長く厳しい72ホールの戦いを終えて、片山津には喜びと悔しさが入り混じった。トップ通過はラスト3ホールで連続バーディー奪取、スコアを4つ伸ばして282ストローク、通算6アンダーとした石徳俊樹(23歳・広島CC)。石徳は、上位の混戦をバーディーフィニッシュで制し、大きなガッツポーズで片山津の戦いを締めくくった。最終プロテスト合格者は11オーバー299ストローク、44位タイまでの50名となった。

合格者には、2016年に日本学生を制した阿久津未来也(22歳・フリー)や、2015年日本アマ3位の石徳、今年最年長受験者の小田教久(56歳・カバヤGC)、2015年日本ジュニアを優勝している篠優希(20歳・日本ウェルネススポーツ大学)、2013年日本アマ優勝の村山駿(24歳・六甲国際GC)、2003年ANAオープンや2006年セガサミーカップを優勝している葉偉志(44歳・日玉中華食品)らが入った。

◇   ◇   ◇

 通算2アンダー・6位で最終ラウンドをスタートした石徳俊樹選手(23歳・広島CC)は、首位とは8打差があった。「追いつくにはストローク差が離れ過ぎている。昨日は2オーバーだっただけに、今日は2アンダーでスコアを取り戻すことを目標しよう」と決めた。

 ボギーが先行したものの、6、9番ホールでバーディーを奪い、スコアを一つ伸ばしてバックナインに向かった。通算3アンダーで迎えた16番パー5でバーディー奪取すると、予期せぬ情報が競技委員から届けられた。最終組はスコアを落とし、首位は通算6アンダーだと聞かされた。

「残り2ホールともバーディーを奪えば、通算6アンダーになる。連続バーディーで上がってみせる」。石徳選手のモチベーションはマックスに達した。

 大学卒業後、広島CC研修生となり、4日間競技のプレーをするのは久しぶりだった。首位を争う緊張感が体中を駆け巡る。「何だか心地良かったです。僕はストロークプレーよりもマッチプレーの方が得意なので。同組の徳永(圭太)選手は5アンダーだったので、ホールマッチのつもりでプレーしたなら面白くなる。もちろん、僕が勝つ思いでプレーしました」と石徳選手は振り返る。

 17番パー3ホール。ピンまで177ヤード。6番アイアンでのティーショットはグリーンを捕らえたが、ピンまで7メートルの距離。下りのスライスラインのパットを放り込み、バーディー奪取。徳永選手と同じく通算5アンダーとなった。

 最終18番パー4ホール。ドライバーショットはフェアウエイ右サイドのファーストカットに止まった。ピンまで187ヤード。左からのフォロー風が吹いている。一方の徳永選手はティーショットをミスし、2打目を花道に運んでいた。

 前ホール同様に6番アイアンを選択し、放った2打目はピン手前6メートルに乗った。上りのスネークライン。「最終組は7アンダーにはスコアを伸ばしているに違いない。悔いの残らないパットを打とう。ショートだけはしない、オーバーさせるぞ」。そう決心して挑んだバーディーパット。真芯で捕らえた感触が手から伝わって来た。ボールはカップに吸い込まれるようにして、消えた。上がり3ホールで3連続バーディー。その結果に満足し、仮想のマッチプレーに勝利したことで拳を握り、何度も何度も天に向かって突き上げた。

 通算6アンダーでのクラブハウスリーダー。最終組の芦沢宗臣、松原大輔、永澤翔選手ともにバーディーを奪えず、通算5アンダーに終わり、石徳選手のトップ合格が決まった。8打差の大逆転劇を演じ、翌年の日本プロゴルフ選手権出場資格も手に入れた。

「4日間、アンダーパースコアをマークするくらいでなければ、5年後10年後もツアープロとして戦えない。それほど厳しい(ツアープロの)世界に飛び込んだと思っています。でも、来年の仕事場が一つ決まったのは本当に嬉しいです。トップ合格に浮かれず、明日からまた気持ちを切り替え、頑張って行きます。よろしく願います」。

 勝って驕らず、兜の緒を締める。勝者しての石徳選手の笑みは、この日限りなのかも知れない。しかし、それでも「勝った」喜びは自信に変えて、また新たに歩み出す。その繰り返しがトーナメントプレーヤーの道に違いない。

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